科目名
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現代文化演習
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担当教員
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権田 浩美
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対象学年
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クラス
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講義室
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721教室
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開講学期
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秋学期
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曜日・時限
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水3
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単位区分
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科目種別
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演習
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単位数
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2
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準備事項
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備考
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テーマ
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「中原中也の詩世界」
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概要
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NHKの子ども向けのTV番組「にほんごであそぼ」をはじめ、教科書においても親しまれている詩人・中原中也は、今年生誕111年を迎える。近年の〈文豪〉マンガブームの中においては、「文豪ストレイドッグス」をはじめ様々なマンガに登場するなど、その人気は更新し続け、日本の近代詩人の中で最もポピュラーな詩人といっても過言ではない。キャラクター化されるほど強烈な性格や、それにより引き起こされる人生の劇はドラマティックであり、またその伝記と重ねあわされることの多い詩世界は、深い抒情性と豊かな言葉の音楽性が交響し、私たちの心を震わせる。 しかしその一方で、当時の最先端の芸術思潮であるダダに感応して詩的出発を果たした中也は、新興芸術の移入が相次ぐ時代の影響も強く受けており、〈道化〉調や、独自の幻視の詩世界を創り出してもいる。 中原中也の詩世界がどのような詩観、同時代の文化的な背景によって成り立っているか考えると共に、詩的言語の持つ芸術性の豊かさを体感してほしい。
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到達目標
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詩の表現を通じて、日本語の詩的表現の美しさを味わうと共に、文学作品を的確に読みとる読解力と、感性的に受容する能力の二つを身に付け、個性的で感受性豊かな表現力をもって楽しく詩を鑑賞できるようにする。
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授業形態
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はじめのうちは伝記的側面や、その芸術世界を成り立たせている時代背景や芸術思想について講義を行う。その進度に合わせて、適宜詩の鑑賞をしてもらう。
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内容・スケジュール
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第1回 授業のガイダンス 第2回 幼年時代から京都時代 第3回 新興芸術の移入の時代 第4回 〈ファム・ファタル/宿命の女〉との出会いと恋愛詩 第5回 〈空〉の二重構造 第6回 『山羊の歌』の詩世界の鑑賞(その1) 第7回 『山羊の歌』の詩世界の鑑賞(その2) 第8回 『山羊の歌』の詩世界の鑑賞(その3) 第9回 『山羊の歌』の詩観 第10回 〈道化〉調詩群 第11回 〈小児〉と〈死児〉 第12回 『在りし日の歌』の詩世界の鑑賞(その1) 第13回 『在りし日の歌』の詩世界の鑑賞(その2) 第14回 『在りし日の歌』の詩世界の鑑賞(その3) 第15回 「一つのメルヘン」と「春日狂想」
*授業の進度によっては順序や取り扱う内容や作品等をかえる場合があるので、予め了承されたい。
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準備学習・事後学習
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準備学習としては、次回の授業の際に取り扱う作品や資料を必ず精読すること。また、自身の発表でなくとも、自身の発表の時と同じように問題意識を持ちながら対象作品を必ず精読すること。 事後学習としては、自身の発表の際はもちろんのこと、他者の発表に際しても客観的にふりかえり、問題点を整理しておくこと。
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学外授業
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特になし。
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成績評価の方法と基準
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個人発表(レジュメ作成、発表内容)を60%、受講態度や質疑応答の積極度・内容等を40%、総合的に評価する。
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定期試験期間中の試験実施方法
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1. 【 】 定期試験期間中に筆記試験を実施する。 2. 【 】 定期試験期間中に単位レポートを課す。 3. 【〇】 定期試験期間中には筆記試験・単位レポートを実施しない。
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テキスト
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必携:中原中也著『中原中也全詩集』(角川ソフィア文庫・角川学芸出版)
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参考図書
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権田浩美著『空の歌――中原中也と富永太郎の現代性――』(翰林書房) その他については授業中に適宜紹介する。
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関連する科目、履修者への要望など
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発言を求めるので、自身の発表ではなくとも、対象作品に対しては問題意識をもって精読してから参加し、質疑応答に積極的にかかわること。
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リンク
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特になし。
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