科目名
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現代文学を読む
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担当教員
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渡邉 章夫
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対象学年
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クラス
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講義室
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643教室
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開講学期
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春学期
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曜日・時限
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水2
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単位区分
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科目種別
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講義
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単位数
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2
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準備事項
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備考
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テーマ
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現代小説の社会的意義
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概要
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「現代女性文学」 この授業では、戦後、特に80年代バブル期以降の文学作品を中心にとりあげる。元来、公的・社会的な性格は、男性的なものとの結びつきが大きかったが、戦後、特に経済が向上し、消費文化が栄えた世になると、そういった建前的な価値観(近代文学的)ではなく、私的で主観的な世界観や感性が文学作品の主流となってくる。こうした問題を、女性文学やサブカルチャーなどを通して、そのオリジナルな発想や言語感覚を考えていきたい。特に、学生諸氏が、等身大で実感的に感得できる社会背景や現代的意義を密接に交えて考察するし、自分たちがオンタイムで生きている文化事情をも理解したい。
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到達目標
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学生各自が、同時代の文化潮流への認識力を高め、そこから各自なりの現代社会に対する課題を浮き彫りにさせることで、個々の感性を練磨させる。学生諸氏が、私生活や就職活動等で、日々感じている日常社会に潜む深層的で多層的な文化構造やコミュニケーション上に於ける、人間の情念の複雑、機微な実態などを、具体的な作品世界に投影された主題に沿って理解し、社会人としてのスキル向上への学びとしたい。
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授業形態
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講義形式が中心であるが,上記のように文学作品のみならず,漫画や映画・CDといったサブカルチャーとも関連させることが多々あるので,随時OA機器なども使用する。「現代」をテーマに扱うため、その時折のエポックや事件事象などの問題との関連にも積極的に触れることで、よりリアルな作品空間の主題を浮き彫りにしたい。
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内容・スケジュール
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第1回 ガイダンス 第2回 総論―戦後女性小説の出発と講義趣旨の確認(石井桃子) 第3回 事前講義―戦後から現代までのアウトラインと講義用語解説 第4回 戦後家族小説の意義と展開(家庭小説と児童文学の系譜) 第5回 死生観の革命(湊かなえ、柳美里) 第6回 転倒する価値観(沼田まほかる、原田マハ) 第7回 身体論と精神主義のギャップ(金原ひとみ、川上未映子) 第8回 リアリズムの超克と現代小説的世界観(川上弘美) 第9回 江国香織と人工的感性 第10回角川文化と小説・映画ーー戦後文学のイメージ変容 第11回綿谷りさと情念 第12回オカルトと現代(小野不由美、辻村美月) 第13回スピリチュアルブームと岡野玲子『陰陽師』 第14回現代文化の諸相(あさのあつこ、森絵都、住野よる) 第15回まとめ--同時代の作品を考える ※上記は,あくまで目安であって,講義進行上でのテーマの重要度はそれぞれ違う。したがって,講義 を進める上で,当然,補充や削減もありえるので,この点は,予めご了承されたい。また、現代文学の講義のため、オンタイムでトピックを呼んでいる作品や文化現象等にも当然言及する。
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準備学習・事後学習
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準備学習としては、次回講義に使用する作品を告知するので、その作品を読んで事前学習することで講義のテーマをより深く理解できる。事後学習としては、授業で取り扱った作家作品における近接領域の作品や文献等を自主的に調査しより知識と教養を高めてほしい。
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学外授業
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なし
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成績評価の方法と基準
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総合評価で評価する ■学期末試験期間中に実施する筆記試験(70%)のほか、通常授業時間中に実施する小試験(20%)に加え、通常時間中に臨時レポートや報告等(10%)。現代文学と、その背後に流れる文化社会的な潮流や時代の抱えた問題点との相互関係が理解されているかの構造的な理解を有しているかを評定する。
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定期試験期間中の試験実施方法
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1. 【○】 定期試験期間中に筆記試験を実施する。 2. 【 】 定期試験期間中に単位レポートを課す。 3. 【 】 定期試験期間中には筆記試験・単位レポートを実施しない。
定期試験期間中に筆記試験を実施する。
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テキスト
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特定のテキストは用いず,毎回配布するプリントを使用する。サブテキストには,飯沢耕太郎『戦後民主主義と少女漫画』(php新書)を使用する。参考文献として宇野重規『私時代のデモクラシー』(岩波新書)をあげておく。その他は適宜授業中に紹介する。
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参考図書
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適宜、講義内容に関連した文献を提示する。
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関連する科目、履修者への要望など
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場合によっては、事前に指定作品を読んできてもらうこともある。受講者数によっては講義時、もしくは定期試験時には座席指定を行う。
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リンク
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なし
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