年度「2017年度シラバス」、フォルダ「2017年度シラバス - 豊橋校舎 - 短期大学部
シラバスの詳細は以下となります。
科目名   モダンカルチャー論  
担当教員   谷 彰  
対象学年     クラス      
講義室   712教室   開講学期   春学期  
曜日・時限   水3   単位区分    
科目種別   講義   単位数  
準備事項    
備考    
テーマ 近代小説に見る様々な文化記号  
概要 「文化学(カルチュラル・スタディーズ)」という方法論が、近代文学の領域でも注目を浴びている。小説や詩などの文芸作品を、作家の思想や作品の主題などの「文学的観点」だけから読むのではなく、「文学」に隣接する諸領域(生活風俗・交通手段・ファッション・建築など)と関わらせて読むことにより、「文学」を新しい角度から読み直そうとする試みである。
 この授業では,本格的な「文化学(カルチュラル・スタディーズ)」の方法論を説明するというより、近代小説の中に織り込まれた人々の暮らしや様々な文化事象(これらを文化記号と呼ぶ)に着目することにより、どのような新しい読みの可能性が開けるか、具体例を示しながら紹介していきたい。この授業を通して、取り上げられた文学作品はもとより、近代の様々な文化記号にも興味を持ってもらいたい。  
到達目標 文化記号に着目して、小説テキストを分析的に読解する能力を身につけることができる。  
授業形態 授業は講義形式で行い、配布プリントやOHCなどの教材提示装置を利用しながら進める。また必要に応じて、授業で扱う小説を映像化した視覚教材も用いる。  
内容・スケジュール 第1回 はじめに —(1)授業のガイダンス (2)授業のキーワード
第2回 「十三夜」作品解題 & 「十三夜」に散りばめられた様々な文化記号①
第3回 「十三夜」に散りばめられた様々な文化記号②
第4回 「十三夜」に散りばめられた様々な文化記号③
第5回 「十三夜」に散りばめられた様々な文化記号④ & 映像で見る明治20年代の文化記号
第6回  「それから」作品解題 & 「それから」に描かれた様々な謎
第7回 映像で見る「それから」
第8回 銀杏返しが意味するもの
第9回 「それから」の謎の解読
第10回 「少女病」作品解題 
第11回 電車が走る都市空間①
第12回 電車が走る都市空間②
第13回 「門」作品解題 & 食事風景の変遷 
第14回  「門」に描かれた食卓の風景①  
第15回 「門」に描かれた食卓の風景②  
準備学習・事後学習 準備学習として、授業で取り扱う「十三夜」、「それから」、「少女病」、「門」を一読した上で授業に臨むこと。
事後学習として、配付資料を読み返して授業中に説明した文化記号の役割を整理・確認しておくこと。  
学外授業 予定していない。  
成績評価の方法と基準 総合評価で評価する。
■学期末試験(70%):作品内に用いられた文化記号の意味を的確に把握した上で、その小説の作品分析を論理的に記述することができる。
■平常評価(30%):毎回提出するコメントカードの内容を重視する。6回以上の欠席は原則として認めない。  
定期試験期間中の試験実施方法 1. 【〇】 定期試験期間中に筆記試験を実施する。
2. 【 】 定期試験期間中に単位レポートを課す。
3. 【 】 定期試験期間中には筆記試験・単位レポートを実施しない。
 
テキスト 授業で配布したプリント。
 
参考図書 『文学 季刊第1巻第1~3号』岩波書店
樋口一葉『にごりえ・たけくらべ』新潮文庫
夏目漱石『それから』『門』新潮文庫
その他、授業中に指示する。  
関連する科目、履修者への要望など 関連する科目として『近代の文学』、『近代の作家と作品』を事前に履修しておくことが望ましい。  
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