年度「2017年度シラバス」、フォルダ「2017年度シラバス - 豊橋校舎 - 短期大学部
シラバスの詳細は以下となります。
科目名   専門資料論  
担当教員   細井 岳登  
対象学年     クラス      
講義室   651教室   開講学期   春学期  
曜日・時限   月4   単位区分   選  
科目種別   講義   単位数  
準備事項    
備考    
テーマ 情報化社会における専門資料の役割と課題、図書館における専門資料の提供/利用  
概要 インターネットなど情報通信技術の発達により、日々膨大な量の情報が発信され、消費されていく。その中には昨年ニュースを賑わせたまとめサイトにおける不正確な記事や不正な転用などの問題のある情報が存在したり、偽(フェイク)ニュースといわれるものが、あたかも真実のように発信されていたりする。それに対しては発信する側の責任を問うと同時に、利用する私たちの側も、偽ものを見破り、不正確なものに疑問をもつメディアリテラシーを身につけ、高めていく必要がある。
図書館には多種多様な資料があるが、そのなかで科学的、学術的な研究に裏付けられた専門的な内容の情報資源も存在するが、専門的な知識を持たない一般の人にとってはあまりなじみもなく、また利用しづらいものである。日本における万能細胞の研究をめぐる事件がマスコミでも取り上げられ、世間の注目を集めたりもするが、万能細胞ってなに?という感じで、必ずしも理解されているとは限らない。
しかし放射線被曝の安全基準や火山噴火の可能性、明日の天気はどうかなど、専門的知識はわれわれの生活に密接に関係してくるものもある。知らない、分からないでは済まないことも起きてくる。この病気にはこれこれの方法が効くと唱った書籍も数多く出版されているが、科学的な研究に基づくものなのか疑わしいものも目にする。病気の治療などおいても、科学的根拠に基づく治療かというこが医療従事者の側に説明が求められるようになってきている。
そうした専門的知識を伝えたり、学ぶための資料の特徴や利用のされ方について、専門資料を生み出す学術コミョニケーションのプロセスや特質も踏まえて、理解を図っていく。また専門家による専門的研究をめぐる問題や社会的な影響などについて、新聞やテレビで報道されるなどして、世間の関心を集めた事例などを取り上げて考えていきたい。さらに専門資料を調べる方法や書誌ツールの使い方を学ぶことを通して、専門的な根拠に基づく情報か否かについて、ある程度見極められるようになるための基礎を身につけてもらいたい。例えばそのダイエット本は、本当に効果があるのか、立ち止まって判断できるようになるために!(本人の努力の問題はひとまず脇において)
 その上で電子化やネットワーク化の進展のなかで、学術コミュニケーションにおける図書館の果たす役割、専門資料の提供/利用についての課題、展望についても考えていきたい。
 
到達目標 x専門資料とはどのようなものか、資料自体の特質や、生産、流通おける特徴や社会のなかでの位置づけ、図書館での提供などについて理解し、情報化社会のなかで自ら活用していけるための足かがりとなる。  
授業形態 義形式。レジュメや参考資料のプリントを配布して、講義していく。さらに受講人数にもよるが数人程度であれば、実際に図書館を探検して、具体的に特定の分野、主題に関する専門資料や、代表的な書誌・目録等のツールを探すことを体験してもらう予定。それらの資料を実際に手にとって中をみて、解説を加えていく。  
内容・スケジュール 1.専門資料とは何か-図書館資料のなかの専門資料
2.学術コミュニケーションの歴史と発達
3.専門的研究の方法と学術コミュニケーションのシステム-STAP細胞事件やノーベル賞獲得競争から考える
4.専門的研究、知識の特質と社会との関わり-水俣病や福島原発事故、天気予報や地震・火山噴火の事例から考える
5.専門分野の特性と資料の紹介-図書館で専門資料や書誌ツールを探してみる1
6.専門分野の特性と資料の紹介-図書館で専門資料や書誌ツールを探してみる2
7.学術コミュケーション、専門的研究と市民接点としての図書館:図書館における専門資料の収集、保存、利用
 
準備学習・事後学習 授業中は能動的にノートをとり、各自のノートや配布したレジュメや資料を読んで復習し、理解に努めること。
さらに授業で学習したことを踏まえて、実際に図書館を積極的に利用して、図書館における専門資料の所蔵状況や利用状況についての理解を深めること。
 
学外授業 実施予定なし  
成績評価の方法と基準 出席状況や課題の提出、リアクションペーパーへの記入内容にみる授業に取り組む姿勢等を踏まえた平常評価(30%)と、学期末の定期試験の成績による試験評価(70%)を合わせて,総合的に評価する。
出席は3分の2以上を原則必須とするが、就職活動等やむを得ない事情は考慮する。
 
定期試験期間中の試験実施方法 1. 【○】 定期試験期間中に筆記試験を実施する。
2. 【 】 定期試験期間中に単位レポートを課す。
3. 【 】 定期試験期間中には筆記試験・単位レポートを実施しない。

定期試験の期間中に筆記試験を課す。  
テキスト 特定のテキストは用いない。参考文献は、授業時に適宜紹介する。  
参考図書 授業で適宜紹介する  
関連する科目、履修者への要望など 授業では特定分野に絞っての資料や書誌ツールの紹介にとどまらざるをえないので、関心のある専門分野,主題について各自で調べて,卒論等に活かしてもらいたい。
 
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